Yuko Ueno Official Web Site

名演と出逢う

51774dbb.jpg先週は3回、演奏会に行きましたが
シャンゼリゼ劇場でのニコライ・ルガンスキー氏リサイタル、
シャンゼリゼ劇場でのロリン・マゼール氏指揮
ニューヨーク・フィルの演奏会は
本当に素晴らしくて、
聴けてとても幸せな気分になりました。
ルガンスキー氏の演奏をライヴで聴くのは
実はこれが初めてで
ショパンの練習曲のCDを聴いてからずっと
一度演奏会で聴きたいと思っていたのですが
パリによく来るのに
何故か演奏会の日は私がパリにいなくて
3年越しでやっと聴けました。
特に後半のラフマニノフの楽興の時、ソナタ2番、
そしてアンコール5曲が素晴らしかったです。
ロシア人ですがとても理知的でパワーで押しすぎず
構成力が素晴らしかったです。
終演後は私も長蛇の列に並んでCDにサインを貰ってしまいました!
今まで貰ったサインはヴィルサラーゼ氏、キーシン氏。
・・・全員ロシア系です。偏ってますね。。
ニューヨークフィルの演奏会では
高校の同級生で大活躍中のチェリスト・工藤すみれちゃんが
今回の欧州ツアーに団員として来ていて再会出来ました。
実はアメリカのオーケストラをライヴで聴くのは初めてでしたが
ダイナミックで迫力があってまさにアメリカンな音!!
国によって本当に音が違うのが面白いなあと思いました。
日本人も住む国によって日本語の発音が違いますし
(その国の言語の発音に似てきます)
耳って環境にとても敏感なのだと改めて実感しました。
こちらの演奏会もアンコールが3曲もあり
喜びが溢れた音楽にとても感動しました。
生マゼール氏も見れて感激しました。
写真はルガンスキー氏。
一人一人丁寧にお話とサインをしていました。

Written by yuko 2007.05.27 03:12 | No Comments

東京での演奏会のご案内

新緑の候、いかがお過ごしでしょうか。
パリは景色や風が爽やかに感じる季節になりました。
さて、この度6月25日(月)にカワイ表参道にあります
コンサートサロン「パウゼ」にてリサイタルを、
6月27日(水)に杉並公会堂小ホールにて
エコールノルマル音楽院の仲間達と
ジェルメーヌ・ムニエ女史追悼コンサートを
開催させて頂くことになりました。
カワイ表参道では以前にトレモロ会の演奏会で演奏させて頂きましたが、
昨秋に会場がリニューアルオープンし、
内装も響きも更に素晴らしくなりました。
今回は~欧州(ヨーロッパ)の窓から・・・~と銘打ちまして、
最近私自身とても魅力を感じているベートーヴェンの作品、
即興的な部分と対位法的部分の見事な融合が見られるバッハの作品、
ドラマティックで悲愴的なショパンの作品、
そしてTVドラマ「のだめカンタービレ」でも取り上げられた、
ロマンティックで技巧的なシューマンの作品を演奏致します。
杉並公会堂では昨年ご逝去されたパリの恩師、
ムニエ先生に捧げる演奏会に出演させて頂きます。
先生の命日にあたるこの日に、
葬儀でオルガン演奏されたバッハの作品をブゾーニが編曲した作品と、
リストの作品で先生の魂と語ることが出来たらと思っております。
どちらの公演も作品の魅力を最大限にお届け出来るよう、
全力を尽くして演奏したいと思っております。
御多忙中とは存じますが、お誘い合わせの上お越し頂ければ幸いです。
御来場を心よりお待ち申し上げております。
時節柄、お体を大切にお過ごし下さいませ。
2007年5月 パリにて 上野 優子
* 上野優子ピアノリサイタル ~欧州(ヨーロッパ)の窓から・・・~ *
■日時 2007年6月25日(月) 18時30分開場 19時開演
■会場 カワイ表参道2F パウゼ http://shop.kawai.co.jp/omotesando/
       地下鉄表参道駅「A1出口」徒歩1分
       JR原宿駅「表参道口」徒歩15分
■チケット 一般券3000円 
      会員券2500円 (全自由席)
■プログラム 
ベートーヴェン:ソナタ第17番 ニ短調 作品31-2「テンペスト」
        ソナタ 第31番 変イ長調 作品110
         
J.S.バッハ:トッカータ ホ短調 BWV914
ショパン:ノクターン ハ短調 作品48-1
シューマン:ソナタ 第2番 ト短調 作品22
■主催 カワイ音楽振興会
 後援 (株)河合楽器製作所関東支社・カワイ音楽教育研究会
【チケットお問い合わせ先】
カワイ音楽振興会 03-3320-1671
カワイ表参道 03-3409-2511
ホームページからもお申し込み頂けます 
http://kawai-kmf.com/concert-info/2007/06.25/
* ジェルメーヌ・ムニエ女史追悼コンサート *
■日時 2007年6月27日(水) 18時開場 18時30分開演
■会場 杉並公会堂 小ホール http://www.suginamikoukaidou.com/
       JR中央線・東京メトロ丸の内線 荻窪駅北口徒歩7分
■チケット 2500円 (全自由席)
■プログラム (五十音順)
上野 優子 バッハ=ブゾーニ:目覚めよ、と我らに呼ばわる物見らの声BWV645
     グノー=リスト:ファウストワルツ
後呂 麻里子 グラナドス:ゴェイスカス”愛と死”
大矢 聖子  ベートーヴェン:ソナタ 作品57 「熱情」第1楽章
小笠原 衣代 ラヴェル:クープランの墓より プレリュード、メヌエット、トッカータ
小野(佐竹) 智恵 ラヴェル:夜のガスパールより スカルボ
河村 晶子 武満徹:閉じた眼
     ヒナステラ:アルゼンチン舞曲  
木村 佳野 ショパン:舟歌 作品60
林 貴美子 ドビュッシー:喜びの島
星野 梨沙 プロコフィエフ:ソナタ第3番 作品28 
峯岸 梓 ドビュッシー:エチュード オクターブのために
            プレリュード 第2集 オンディーヌ、花火  
■後援 日本ベーゼンドルファー
    ジェルメーヌ・ムニエ財団
【チケットお問い合わせ先】
電話/FAX 03-3420-1138 
ジェルメーヌ・ムニエ女史追悼コンサートブログ 
http://blog.livedoor.jp/germainemounier/     
6月27日チラシ裏6月27日チラシ表チラシ625

Written by yuko 2007.05.25 03:42 | No Comments

イモラ一人強化合宿の旅

0e536538.jpg10日間、イモラで一人強化合宿をしてきました。
パリは苦情の問題で最大2時間迄しか続けて弾けないのと
生徒を教えたり、生活のための雑用があったり、
そして遊びの誘惑もあって、なんだかいつも慌しい生活で
一度じっくり練習する時間を作らなければ…と思っていたので、今回はとても良い時間を過ごせました。
パリでは練習時間が朝10時~12時半、14時半~20時半と
それでも練習出来る方ですが休日は午前中は弾けません。
イモラの友人宅は9時~13時、15時半~22時半の間
休日も朝から練習出来ます
しかも今回はPCの接続が上手く行かず
結果的にはそれが功を奏したのか、とても集中出来ました。
食事もほぼ自炊でした。
6年住んだ街で再びスーパーなどで買出しすると
当時好んで購入していた製品が今も変わらずあって
とても懐かしく思い、また購入しました。
レッスンも計7時間半、受講しました。
マルガリウス先生とペトルシャンスキー先生にしごかれました。
なかでもペトルシャンスキー先生のレッスンでは
上腕の筋肉を非常に使ったせいか
久し振りに筋肉痛になってしまいました。。
イモラの生徒と先生に聴かれる弾き合いが学校のホールであり
久々に大緊張しながらシューマンのソナタ第2番を弾きました。
その後はスカラ先生の友人宅でお酒を飲んだり、
生徒の中にジャズがとても上手な子がいて
そのお宅の地下にアップライトピアノとヴィブラフォンがあったので
ちょっとしたセッションになって楽しかったです。
パリに戻った日はすぐ生徒のレッスンがあり
一昨日はヤマハでゴルノスタエヴァ先生のマスタークラスを受講。
やっと少し落ち着いてこの日記を書いているところです。
ゴルノスタエヴァ先生のレッスンでは
ショパンのノクターン作品48-1、シューマンのソナタ2番を見て頂いたのですが
ショパンではメロディーと伴奏の空間やバランスの作り方、
悲劇的なハ短調のこの作品の本質についてのお話、
ネイガウス先生のお話がありました。
シューマンでは特に3楽章のスケルツォについてのお話で
私はちょっと真面目なスケルツォになってしまったので
「ドイツのオクトーバーフェスティバルで
ビール飲んで酔っ払って騒いで踊っているところを想像して!」
と言われた時の先生の酔っ払った真似が面白かったです。
毎年パリのヤマハにいらっしゃる時に見て頂いているのですが
いつも哲学から絵画などの芸術、そして宗教や社会問題など
本当に幅広い知識をお持ちの先生で
モスクワでいつもこんなに素晴らしいレッスンを受講出来る
友人が本当に羨ましいです。
写真は携帯カメラで撮ったので粗いですが
近所のバティニョル公園の花壇です。
今朝は雨で行けなかったのですが
今週からまたジョギングを再開しようと思っています。

Written by yuko 2007.05.14 02:40 | No Comments

夏到来?!

db3c7cc4.jpgまたまたご無沙汰しています。
最近のパリは春というよりもはや夏、といった感じで
連日最高気温は28度!です。
さて、先週はパリ郊外にあるソー公園でお花見をしました。
広大な敷地の一角に八重桜が咲き誇り
丁度見ごろを迎えていてとても綺麗でした☆
その時の写真はまたGalleryにアップしようと思います。
本当はゆっくりしたかったのだけれど
夕方から生徒のレッスンがあったので
後ろ髪を引かれる思いで公園をあとにしました。
それにしても食事を持ち寄って
(私はアスパラベーコン巻き、サラダスパゲッティを作りました)
青空の下で過ごすのは私にとって初めての経験で
とても楽しく、気持ちの良い午後でした。
お花見の翌日はラドゥ・ルプー氏の演奏会を聴きにシャトレ劇場へ行きました。
シューベルト、ベートーヴェンのソナタなど弾かれましたが
なかでもやはりブラームスは白眉でした。
演奏会の翌日、イモラへ。
今回も一日約5時間、2人の先生のレッスンを休みなく受講。
でも気分転換にフィレンツェへ行き、友人と1年振りに再会し
トリノ発のジェラートやさん「GROM(グロム)」で
おいしいジェラートを食べました。
このグロムというお店、今とても注目されているそうで
来年日本にも出来るらしい、という話を聞きました。
来月にはニューヨーク店が開店されるそうです。
日曜日にパリへ戻ったのですが
この日はボローニャ-パリを飛ぶ格安航空会社My Airの機体が
イタリア南部の空港が閉鎖の為、なかなかボローニャに来ず
11:55→13:35→15:40→16:00→16:15とどんどん出発時刻が遅れ
結局最後は5分早まったものの約4時間ゲートで待つことになり
パリに到着した時にはもうくたくたでした。
もう2度と使いたくない、と思っていましたが
帰宅すると遅延のお詫びと、次回購入時25ユーロ割引く
とのメールがMy Airから来ていました。
今まで3回利用しているのですが
それまでは何の問題もなかったので
また利用しみようかなという気持ちになりました。
それにしてもフォローって大事なのだなあと
妙に感心してしまった私でした(^^;
写真はフィレンツェのドゥオモです。
今回イモラはちょっと肌寒かったのですが
フィレンツェはイモラより南ということもあったせいか
すっかり夏の太陽が照り付けていました。

Written by yuko 2007.04.28 01:25 | No Comments

誕生月

576b03d1.jpg2月末にイモラからパリへ戻った後風邪を引きました。
子供の頃からよく風邪を引く子供だったせいか妙な慣れがあり
発熱しても普段と変わらない生活を送っていたところ
どうやら完全にこじらせてしまったらしく
20日間の発熱、終いにはめまいで動けなくなってしまい
とうとう病院へ行きました。
どうやら風邪のウィルスが甲状腺についてしまったようで
それでめまいや発熱が続いたとのことでした。
抗生物質を頂いて5日後、大分具合も良くなったので
出発直前まで迷いましたがイモラへ行くことにしました。
イモラでいつものスパルタレッスンを受講した後
6月の演奏会で弾く予定のベートーヴェンのソナタ「テンペスト」
を試そうと思い、E.ファッラ国際音楽コンクールを受けました。
ピエモンテ州へ列車で向かい、カンデーロという小さな街へ。
実はこの日はイタリア鉄道のストライキが実施され
最終列車で目的地に辿り着けるかギリギリのところでしたが
何とか到着することが出来ました。
また、予選・本選の2ステージでしたが
思いがけず第1位を頂くことが出来ました。
本選が行われた日は私の誕生日でもあり
コンクールで出会った、そして再会した友人達と夜中まで話し
睡眠時間1時間でよれよれになりながら翌日パリに戻りました。
秋からパリでは新しい先生とのレッスンが始まり
毎週同門の生徒やゲストの前で弾き合い、レッスン、コンサートの聴講があり
そしてイモラへ行けば一日5時間のスパルタレッスンで
なかなか自分のペースを作れず、時間に引きずられる様な生活が続いて
疲れから1ヶ月、体調を崩していましたが
やっと少し余裕を持って生活出来る様になってきました。
今年は健康にも少しは気を遣いつつ、マイペースでやっていけたらと思っています。
日記の更新も遅れがちですがこれからもどうぞ宜しくお願い申し上げます。
写真はパリの友人に誕生日に頂いたお花です☆

Written by yuko 2007.03.31 05:32 | No Comments

かけがえのない場所

イモラへ行って来ました。
2007年に入ってからは今回が最初のイタリアです。
久し振りだったので胸が躍りました。
無事にボローニャ空港へ到着、空港バスと列車を乗り継いで
イモラ駅に到着します。
すると時計台前の通りが溢れんばかりの人垣で
道化師が奇妙な自転車に乗ってパフォーマンスをしたり
ブラスバンドのおじちゃんたちが陽気に演奏をしていました。
子供たちは仮装していて、女の子は全員お姫様の格好!
若者はスプレーを人や壁や道路に乱射していて
巻き込まれないように逃げました。。(^^;
この日は丁度カーニヴァルの日だったようです。
街のあらゆる所に紙吹雪やスプレーのあとが残り
夜、清掃車はとても忙しそうにゴミを掃いていました。
普段やっちゃいけないことが許される日って
ストレス発散になりそうで良いですね。
私も参戦したくなりました(^^;
それにしてもこの街にこんなに人がいたのかとびっくりしました。
翌日は午前中にペトルシャンスキー先生のレッスン。
1月の東京公演以来の再会でした。
先生は来年2月にまた来日予定で
次回はドイツのオーケストラと共演する予定だそうです。
今から来年が楽しみです!
この日のレッスンでは最近とても好きな
ベートーヴェンのソナタを見て頂きました。
やっぱり先生の音は素晴らしい。
あっという間の2時間でした。
お昼休みに約1年振りにコープへ行くと
ショッピングモールが拡張されていて
電気製品から洋服まであらゆるお店が入っていて驚きました。
イモラも少し都会に近付いたかしら?!
電気製品のお店に入るとばったりマルガリウス先生と会ったり
なかなか愉快なお昼休みでした。
午後はマルガリウス先生のレッスン。
バッハのトッカータとショパンのノクターンを見て頂きました。
相変わらず緻密で高貴で、一瞬の隙もない解釈。
やはりあっという間の2時間でした。
翌日は朝がマルガリウス先生のレッスン。
ベートーヴェンのソナタとショパンの遅いエチュードを見て頂く。
この日も本当にあっという間に3時間が経ってしまいました。
多少疲れながらピッツェリアへお昼を食べに行くと
たまたまお隣の席にペトルシャンスキー先生ご夫妻が!
色々楽しいお話が出来ました。
イモラの良い所は先生と生徒の距離がとても近いことです。
音楽だけではなく人生の話を素直に話し合えるというのは
かけがえのない、とても幸せなことだとつくづく感じました。
午後はペトルシャンスキー先生のレッスン。
バッハのトッカータとシューマンのソナタを見て頂きました。
先生の解釈はいつでもダイナミックであり、繊細でもあり
本当に魅せられます。
夜はアカデミーの講師でもあるロルティー氏の演奏会でした。
新たにアカデミーに寄贈されたファツィオリのピアノは
まさにイタリアンな陽気な響きで
リストの演奏会用練習曲は曲想にもよく合っていましたが
ラヴェルの夜のガスパールには
ちょっと音色が明るすぎる気がしました。
後半はシューマンのクライスレリアーナ。
知性と独特のアイディアが満載な演奏でした。
パリでは練習と生活の両方がありますが
イモラでは音楽のことだけを考えて一日が終わります。
何と贅沢なことだろうと、
改めてこのアカデミーで学べる事を幸せに思いました。
パリは沢山演奏会もありますし
あらゆる芸術が集まっていてとても刺激的ですが
こうしてのんびり心を開いて音楽と向き合う感覚を
これからも忘れずに持とうと思いました。
写真は時計台前の通りに飾られていた大きな自転車。
その自転車の後ろには馬車の車輪の部分のようなもの。
そしてパレードを見る人々。
何とも楽しげな街の様子に旅の疲れもどこへやら、でした。
imolacarnevale1imolacarnevale2imolacarnevale3

Written by yuko 2007.02.26 09:58 | No Comments

2月7日

2月7日はムニエ先生の
そしてムニエ先生の娘さんの
そして、
ムニエ先生のアシスタントを担当していたパヴロスさんの誕生日でした。
この日に先生のお宅でホームパーティーがあり
図々しくも先生のレッスン室見たさと、ピアノを触りたくて
参加させて頂きました。
2004年9月に初めて先生とお会いした場所。
2006年の春に受けたレッスンが最後となってしまいました。
とてつもなく寒い日でした。
お葬式の日のとてつもなく暑かった日を思い出しました。
お宅のマンションの入り口のコード番号が変わっていて
月日を感じさせられました。
そして懐かしいレトロなエレベーターに乗ります。
古い為、エレベーターのドアがものすごい音を立てます。
生前ムニエ先生は呼び鈴を鳴らさなくても
このエレベーターのドアの音で到着を察知してらした日がありました。
お宅に入ると、ご主人が描いた絵が飾られているのが増えた他は
見事に何も変わっていないお部屋。
少ししたら先生がふっと出てきそうな位変わってない。。
雰囲気も少しも変わってない。
時間が止まった様な何だか不思議な感覚でした。
ムニエ先生のご主人や親族の方と門下生約10人が集まって
ミニコンサートが始まりました。
久し振りに触るベーゼンドルファーは
もうずっと調律してなくて、鍵盤がスカスカでした。
それで「ああ、先生が亡くなって時間が経過したんだ」
と我に返りました。
私は最近始めたショパンのノクターンを演奏させて頂きました。
皆さんが思い思いの曲を弾いた後はちょっとしたビュッフェ。
とても楽しいひと時でした。
娘さんが先生の写真を分けて下さったり
丁度フランス対アルゼンチンのサッカーの試合がTV放送されていて
ご主人とお孫さんたちが見ていたら
ムニエ先生はかなりのスポーツ好きだった、とか
ゲームが大好きでゲームボーイを門下生がプレゼントしたら
1週間でマリオを全面クリアしたかわりに目が真っ赤だった、など
普段の先生の様子を伺うことが出来て面白かったです。
多く人の心にこんなに強烈に生きてる人はそういないと思います。
先生って幸せな人だなあって穏やかな気持ちでそう思えました。
前回のブログでも書きましたが
6月27日(水)の命日に東京の杉並公会堂小ホールにて
ムニエ先生に捧げる演奏会を門下生で開催させて頂きます。
先生から学んだことをちゃんと伝えられる様に
先生が怒ってあの世から出て来ない様に(^^;
それぞれの音楽が先生に届く様に
そして聴いて下さる方に楽しんで頂ける様に
そんな演奏会になると良いなあと思っています。
それから6月25日(月)にはカワイ表参道でリサイタルを
開催させて頂くことになりました。
どちらも平日でお忙しいと思いますが
お誘い合わせの上お越し頂けたら嬉しいです!
また詳細が決まりましたらお知らせさせて頂きますね。
写真はムニエ先生のお宅のピアノの前で。
改めて先生の偉大さを感じた夜でした。
chezMadameMounier

Written by yuko 2007.02.24 04:46 | No Comments

2007年の幕開け

16e1f298.jpg2007年もとっくに明けて節分も過ぎてしまいました。。
皆様、お変わりありませんか。
昨年末からずっと更新出来ませんで
何度もこのページに足を運んで頂いた方、
大変申し訳ありませんでした。
年末年始は日本で過ごしました。
家族で温泉へ行き、1泊でしたがゆっくり羽を伸ばすことが出来ました。
1月17日は朝日浜離宮ホールで
フィルハーモニアカルテット・ベルリンの演奏会があり
イモラの恩師でもあるボリス・ペトルシャンスキー先生が
ソリストを務められました。
特にカルテットの方々は超強行スケジュールで、
演奏会当日の午後に名古屋から到着し
演奏会後は翌日にまた名古屋で演奏会があるとのことで慌しく出発していて
普段のベルリンフィルの演奏会に加え、この様な個々の演奏会もこなす
そのパワーに心から驚きました。
そして上品で格調高い演奏は素晴らしかったです。
ブラームスの五重奏曲では、まずピアノの蓋が半開でびっくりしましたが
先生のパワーは凄まじく、カルテットと一体になって素晴らしい熱演でした。
実は12月からの1ヶ月間にこの五重奏曲を聴くのがこの日で3回目でしたが
冬にはこの様な濃厚な作品がぴったりだなあと感じました。
この後ペトルシャンスキー先生も日本各地を飛び回っておられました。
パリに戻ってからは時差ぼけに悩まされましたが
漸く生活リズムが合ってきました。
1月24日にはジェルメーヌ・ムニエ先生の追悼演奏会が
エコールノルマル音楽院のコルトーホールで開催され、
私が師事するおそらく10年以上前に生徒であった先輩方が演奏されました。
日本人では秋山未佳さんが
デュティユーのソナタの3楽章とショパンのバラード3番を弾かれました。
ムニエ先生は特にショパンがお好きだったので
彼女の演奏を聴きながら「ここは先生がこうおっしゃったんだなぁ」
と思う箇所が幾つもあって
ショパンに関しては特に厳しいレッスンでこってり絞られたことなど、
先生とのレッスンでの思い出が蘇ってきました。
因みに6月27日が先生の命日なのですが
その日の夜に東京の杉並公会堂小ホールにて
門下生による追悼演奏会を開催させて頂くことになりました。
私はバッハの作品を演奏させて頂く予定です。
また、その数日前にリサイタルを開催させて頂く予定です。
お時間がありましたらお聴き頂けましたら嬉しいです。
詳細が決まり次第、またお知らせさせて頂きますね。
さて、リビツキー先生とのレッスンでは
今勉強している作品が新しいものばかりで
コルトーホールでそれらの作品を人前で弾くのは非常に緊張しますが
同時にとても良い経験をさせて頂いています。
先生は生徒のアイディアを大切にして下さるので
心なしか自分のヴィジョンがよりはっきりしてきた様に思います。
2月3日はマルタ・アルゲリッチさん、ギドン・クレーメルさんとその仲間達による
演奏会がプレイエルホールであり、
彼女に師事している友人から演奏会前日の夜に突然譜めくりを頼まれました。
チケットは早くに売り切れになっていて残念に思っていたのですが
土壇場で演奏を聴く幸運に恵まれました。
また、舞台裏では彼女の表情を間近に見れたり、話すことが出来て嬉しかったです。
友人の酒井茜さん、クレメラータ・バルティカ(チェンバーオーケストラ)、
ヴァイオリンのゲザさん、ヴィヴラフォンのプシュカレフさん、
クレーメルさんの演奏も素晴らしかったのですが
やはりアルゲリッチさんの演奏は別世界でした。
パルティータの2番を演奏されたのですが
満員の聴衆を引き付けるあのカリスマ性!
まさしく天才とはこういう人を言うのだと改めて感じました。
終演後は大勢の人が彼女の楽屋を訪れていて
ネルソン・フレイレさん、堀米ゆず子さんの姿もありました。
人生、苦あれば楽あり。
最近、生きることが楽しくなってきました。
大変なこと、辛いこと、悲しいことなど沢山ありますが
自分の信念だけはしっかり持って
良い意味でマイペースにやっていこうと思います。
年頭のご挨拶としては大変遅ればせながら・・・
本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
写真は先月2歳になったティアラです。

Written by yuko 2007.02.05 12:31 | No Comments

忘れ物

イモラへ行って来ました。
雨が多くてものすごい冷え込みでしたが
パリに戻るとそれ以上に寒くてびっくりしています。
今回もレッスンを受講したり、
新しく出来たレストランのピッツァとカッサータ
(ドライフルーツとチョコチップが中に入ったシチリアのお菓子)
をおいしく頂いたり
なんだか弾いてるか食べてるかのどちらか、という生活でした(^^;
今回はなんとパリの自宅のキーケースをイタリアに置いてきてしまう
という失態を演じてしまい、大変な思いをしました。。
幸い、パリに戻った日の夜に大家さんの住まわれているパリ郊外の駅で
大家さんから鍵を受け取り、やっとの思いで自宅に帰ることが出来たのですが
その2日後に、今度はスペアキーの調子が悪くて再び家に入ることが出来ず
またその様な時に限って携帯電話のバッテリーが切れてしまいました。。
幸い同じ通りに友人が住んでいるので仮眠させて頂き、
翌日の早朝に再び大家さんの住むパリ郊外の町へ行きました。
今回は携帯電話が使えない為、直接大家さんのお宅へ向かう様に言われて
今まで訪れたことがなかったので駅からタクシーを利用しようと思ったのですが
乗り場に1台も来ず、近くの色々なお店の人に尋ねながら徒歩で向かいました。
その日は手袋をしていても凍りそうな寒さで、道路の土も凍っていました。
20分ほどでお宅を見つけて一度返却した鍵を再びお借りして
24時間ぶりに自宅に入ることが出来ました。。
明晩にはイタリアの友人がキーケースを持って来てくれるので
やっとこれで郵便ポストを開ける事が出来ます。
それにしても自分の間抜けさにはさすがにうんざりしています。。
過去に眼鏡を日本に置き忘れたりしたことはありましたが
鍵を忘れるとは。。。二度ともうバッグから出さない様にしようと思います(^^;
因みにその様な事情があった為、メールの返信が遅れております。
大変申し訳ありませんm(__)m
写真はイモラの駅前通りのイルミネーションと
パリの自宅付近、ヴィリエ商店街のイルミネーションです。
本年も大変お世話になりました。
実は1月に祖母が永眠しました。
新年のご挨拶をご遠慮申し上げます。
皆様、良いクリスマス、そして新年をお迎え下さいませ☆
イモラ駅前通りヴィリエ商店街

Written by yuko 2006.12.24 10:37 | No Comments

ムニエ先生を偲ぶ

12月5日~23日の間、パリ・シテ島のギャラリーで
ムニエ先生のご主人の個展が開催されています。
金曜日にカクテルパーティーがあって
本当は招待状が必要だったのですが
ムニエ先生そっくりの娘さんが「生徒ならいいわよ!」
と快く受け入れて下さいました。
会場では昨年代講されていたトマ先生、
アシスタントのパブロスさんや門下生と再会出来ました。
ご主人は生憎体調が芳しくないらしくいらっしゃらなかったのですが
2年前に開催された時の作品と
ムニエ先生のポートレートが4点展示されていました。
ムニエ先生が亡くなられた後、
写真も見ずに一気に描き上げたそうです。。。
2枚目の写真の絵は親族がとても気に入られたということで非売品だそうです。
残念ながら1枚目の写真の絵は売れてしまっていました。。
今回の個展で得た資金を元にムニエ財団を設立するそうです。
色々な企画が持ち上がっているそうですが
まだまだ形になるには時間がかかりそうです。
しかし、こうしてムニエ先生と今も関わっていけるというのは
幸せなことだなあと思いました。
入場無料ですので、パリ在住の方は宜しかったら足を運んでみて下さいね。
66, Quai des Orfevres/23, place dauphine 75001 Paris
Galerie des Orfevres
tel 0143268130
メトロ最寄り駅: Pont Neuf
ポートレート1ポートレート2

Written by yuko 2006.12.12 09:24 | No Comments