Yuko Ueno Official Web Site

11月を振り返って・・・

11月は結局1度も更新が出来ませんでした。。
気が付けばもう師走。
街はイルミネーションが点灯し、心なしか胸躍る季節となりました。
ちょっと11月を振り返ってみようと思います。
パリで新しく師事しているリビツキー先生は
毎週学校に隣接されているコルトーホールでマスタークラスをされており
ほぼ毎週、違った曲目で人前で演奏をするという経験は
非常にハードではありますが、同時にとても良い経験をさせて頂いています。
因みにコルトーホールは国の「歴史的建造物」(重要文化財)に指定されている
400席ほどのホールで、舞台はこの様な雰囲気です。
salle cortot
シャンゼリゼ劇場の設計者でもあるオーギュスト・ペレの設計だそうです。
響きも良いので演奏するのがいつも楽しみでもありますし、
エコールノルマルの試験はいつもこちらのホールで演奏するので
緊張する空間でもあります。
このマスタークラスの他に個人レッスン、
そして先生が主宰されている「Animato」という若者に演奏の場を与えよう、
という主旨の演奏会が週に1回開催されています。
週に3回先生とお会いする事になり、
1週間が過ぎるのが以前より更に速く感じるようになりました。
中旬にはイモラへ久し振りに行きました。
3泊4日でしたが毎日レッスンが4時間あり、相当絞られました。。
ペトルシャンスキー、マルガリウス両先生のレッスンは細かく、厳しく。
でもいつも自分が生きている、ということを
演奏中に感じさせてくれる熱いレッスンは
私にとってかけがえのない時間です。
ところで飛行機でEU圏内へ行く場合、
11月6日から搭乗の際に手荷物制限が出来て
1リットル以上の液体は機内に持ち込めなくなりました。
これからワインも持って帰れないのかと落胆したのですが
セキュリティチェック後の免税店でのみ
ワイン・香水などの液体が1リットル以内であれば
購入可能だという事が分かり、早速ノヴェッロを購入しました。
最初はそれを知らなかったので空港内のワインバーで
朝からトスカーナのノヴェッロを飲んでいました(^^;
因みにノヴェッロというのはイタリアにおける
ボジョレーヌーヴォー的な赤ワインで
今年のノヴェッロは悪天候で日照不足だったにも関わらず
なかなかおいしかったです。
イタリアから戻った後はしつこい風邪にかかり、完治までに2週間も費やしました。
ピアノの弦も自宅や学校、スタジオなどで2週間で計7本切りました。。
丁度勉強していた曲がロシア物ばかりだったこともありますが
階下の住人から音の苦情が来てしまったり、トラブルも多い月でした。
でもこれにめげずにバランス良く生活していきたいと思っています。
下記の写真は16区のメトロ「ヴィクトル・ユーゴー」駅前のイルミネーションです。
この日は雨模様でブルーの電飾がちょっと寂しげです。。
place victor hugo

Written by yuko 2006.12.05 08:53 | No Comments

初めてのオペラ座

c9069b2a.jpg
パリに来て初めて、オペラ座(ガルニエ)でオペラを観ました。
以前、旅行で昼間に訪れた時に
ホールのシャガールの天井画が修復中という事で
カバーに覆われて見る事が出来ず、残念な思いをした事を思い出しながら
15年の歳月をかけて完成した劇場の
煌びやかな大階段を上がって行きました。
会場に入ると日本の恩師のレッスン室で見慣れた
シャガールの本物が目の前にあって
憧れていた作品が見れただけで世界が眩く見えて
心から幸せだと思える瞬間でした。
席は値段のわりにとても良いところで
チケットを取ってくれた友人に感謝!
演目はモーツァルトのコジ ファン トゥッテでした。
指揮はグスタフ・クーン氏
演出・・・Patrice Chereau
舞台美術・・・Richard Peduzzi
Fiordiligi・・・Erin Wall
Dorabella・・・Hannah Esther Minutillo
(Elina Garancaがキャンセルした為代役)
Guglielmo・・・Stephane Degout
Ferrando・・・Shawn Mathey
Despina・・・Marie McLaughlin
Don Alfonso・・・Ruggero Raimondi
まずは舞台に大きな赤字でイタリア語で書かれた
「禁煙」という文字にびっくりしました。
フランス語の字幕が「禁煙」の真下に表示されるので
妙に最後まで印象に残っていて。。。
理由を聞いてみたくなりました(^^;
公演はとても楽しめました!
特に三重唱、五重唱では自分がピアノを弾く上でとても勉強になりました。
声楽は物語、歌詞があるので例えば同じフレーズが何回も続く時も
それぞれ表現に明確な違いがあります。
それをピアノに置き換えてみると
当たり前ですが音で表現しなければならないわけで。。
そういった事を考えながら観ていました。
オーケストラとの合わせ方、
更には身のこなし方まで勉強になりました。
個人的にはアルフォンソ役のライモンディ氏が好きでした。
イタリア人なので当然ですが、一番発音も聞き取り易かったです(^^;
写真は客席からみたシャガールの天井画です。
しかし公演中にフラッシュ撮影をする方が。。。
携帯が鳴るよりはまだ良いのですが
こういうマナーはしっかりしないといけませんね。
ところでホームページの訪問数が30000を超えました。
ご覧下さる皆様、ありがとうございます!
更新が滞りがちですが、タイトル通り「のほほん」
とやっていこうと思っておりますので
今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。

Written by yuko 2006.10.27 07:28 | No Comments

パリ散策

皆様、いかがお過ごしでしょうか。
パリはすっかり秋めいて、
栗やキノコやトリュフのおいしい季節になりました。
今日は今年から一緒に勉強するリビツキー先生のレッスンでした。
お宅に向かう途中で道に迷っていたら
ダイアナ元妃が亡くなったトンネルの入り口に着きました。
今も遺影と献花がされていて
観光客の足が絶えない場所のようです。
先生とは5月に初めてマスタークラスを受講して以来の再会!
言い換えればお会いするのは2度目になります。
それまで電話やメールで連絡を取っていましたが
いつも開口一番「今君はどこにいるの?」と言われておりました。。
でも先生もよくあちこち飛び回っていらして
今日はレッスンの1時間前にパリに帰っていらしたそうな。。
先生のピアノは鍵盤が象牙のスタインウェイ。
象牙の鍵盤の感触がとても久し振りで
条約に反するとはいえ、やはりこの質感は素晴らしいなあ
・・・と思いながら弾いていました。
先生のレッスンは、思い込んだら命がけ!の私に対して
丁度良い距離感で見て下さるので
ハッとさせられることが多いです。
その後所用が近くであったのと
今日は晴天でとても気持ちの良い日だったので
思い切って辺りを散策することにしました。
お恥ずかしながらパリに住んで初めてエッフェル塔へ。
ところがチケット売り場が長蛇の列だったので上るのは断念。
普段遠くからも良く見える背の高い塔が
近くで見ると、当たり前ですが本当に大きくて。。。(^^;
324mという途方もない高さに今更ながら愕然としました。
そして目の前のシャン・ド・マルス公園のベンチで一休み。
太陽が燦々と降り注いでとても気持ち良かったです。
そこから自由の女神像へ行こうと
セーヌ川沿いを歩き始めましたが途中でタイムアップ。。
あと少しで到着だっただけに残念でした。
気が付けば2時間、歩き詰めで
ランチを食べる時間が今日はなかったので
疲労を体全体に感じながら家路に着きました。
でもとても良い気分転換が出来ました。
写真は左からエッフェル塔、
シャン・ド・マルスChamps de Mars公園と
映画の撮影場所としても有名らしいビラケムBir-Hakeim橋
(この柱の上をメトロ6番線が走っています)です。
すっかり観光客気分でした。
Tour EiffelParc du Champs de MarsPont de Bir-Hakeim

Written by yuko 2006.10.16 11:58 | No Comments

9月30日の演奏会にご来聴頂いた皆様

37da61b3.jpg爽秋の候、いかがお過ごしでしょうか。
9月30日に開催された霞ヶ関フィルハーモニー管弦楽団第2回定期演奏会へ
お忙しいなかご来聴頂きました皆様、ありがとうございます。
皆様の温かい雰囲気に包まれて演奏させて頂けましたことを
とても幸せに思っております。
声楽がとても好きであったショパンの歌心を
私なりに表現出来れば、と思って演奏させて頂きました。
霞ヶ関フィルハーモニーの団員の皆様、磯先生の指揮のお陰で、
ソロとは違う魅力を私自身感じながら
楽しんで演奏することが出来ました。
アンコールにはショパンのエチュード作品10-4を演奏させて頂きました。
演奏会の後、1時間だけ打ち上げに参加してから成田空港へ行き
夜の飛行機でヨーロッパに向かいまして、
一昨日パリに戻ってきました。
またこちらでの生活となりますが、より一層精進して参りますので
今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。
写真は演奏会当日のリハーサル中での1コマです。
色々な人に支えて頂いて今の自分があります。
これからも感謝の気持ちを忘れずに
少しでも多くの人に音楽の素晴らしさを知って頂ける様に
活動していこうと思います。
ありがとうございました!

Written by yuko 2006.10.08 08:11 | No Comments

お墓参り、そして演奏会のご案内

残暑お見舞い申し上げます。
皆様、お元気でいらっしゃいますか。
またまたご無沙汰してしまい、申し訳ありません。。
パリに戻ってすぐ、丁度日本ではお盆の季節に
ムニエ先生のお墓参りに行きました。
墓地はパリ郊外とはいえ、パリ市から比較的近くにありました。
先生はご両親と一緒に埋葬されていました。
歴史を感じさせる墓石で、何となく先生らしい、と思いました。
先生のお名前が彫られた部分を触っていると、とても温かく感じました。
皆でお墓を囲んで先生のことを話していると天気が目まぐるしく変わりました。
雨が強く降ったかと思えば晴れ間が差し込んだり。。。
友人が「先生のお心かもしれないね」と言っていましたが
全くその通りだと思いました。
生前先生は携帯電話をお持ちで、
留守番電話サービスにはご自身のお名前を録音しておられました。
もう一度聞いてみたいね、という話になってその場で電話をしてみたら
まだ先生の留守番電話の声が残っていました。
この墓石の中に先生はいらっしゃるのにもう二度とお会い出来ないのだ、
と改めて感じたひと時でしたが
お葬式の時より随分穏やかにその事実を見つめることが出来ました。
それでもまだ、先生に似た方を見かけると
自然と涙が出て来てしまうのが困りものですが。。
因みにこの日にかけた携帯電話、翌日にはご家族の方が契約を解除した様で
もう二度と聞けなくなってしまいました。
先生に今度9月30日に東京でショパンの協奏曲第1番を演奏することを
ご報告して、お墓を後にしました。
実はこの曲は先生にレッスン時に伴奏して頂いた、思い出深い作品です。
先生は特にショパンの作品に深い造詣をお持ちで、
先生の奏でられるショパンは古き良きヨーロッパの薫りが漂う、
とても素晴らしいものでした。
先生と勉強させて頂いたのは2年と短いものでしたが、
ショパンの貴重な自筆譜を見せて頂き、
当時の歴史がより身近に感じることも出来ました。
今回、思い入れのあるこの作品を
新宿から20分ほどの町、住吉にありますティアラこうとう大ホールにて
霞ヶ関フィルハーモニー管弦楽団の皆様、そして磯恒男先生指揮のもとで
共演させて頂ける幸運に感謝しつつ、
最高の音楽が奏でられる様に精一杯頑張ります。
なお、入場無料となっておりますので
お忙しいことと存じますが、お誘い合わせの上お越し頂ければ幸いです。
皆様の御来場を心よりお待ち申し上げております。
第2回霞ヶ関フィルハーモニー管弦楽団定期演奏会
http://kpo.nomaki.jp/
日にち:2006年9月30日(土) 
時間:13時30分開場 14時開演
場所:ティアラこうとう大ホール http://www.kcf.or.jp/tiara/
 都営新宿線・東京メトロ半蔵門線「住吉」駅下車A4出口徒歩4分
 都営バス(東22)錦糸町~東陽町(東京駅北口) 「住吉駅前」下車徒歩5分
     (錦11)錦糸町~築地駅 「住吉駅前」下車徒歩5分
     (錦28)錦糸町~東大島駅 「江東公会堂前」下車徒歩1分
入場無料
指揮:磯 恒男
独奏:上野 優子
曲目:ショパン ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調作品11
   ブラームス 交響曲 第2番 ニ長調作品73

Written by yuko 2006.08.29 03:31 | No Comments

晴れた日に・・・

サン・オーギュスタン教会1
サン・オーギュスタン教会2
ぎらぎらと照りつける太陽と
どこまでも澄み切った青い空。
まるで「ちょっと先に行ってるわよ」
とおっしゃっているかの様な明るい朝に
先生は旅立って行きました。
お別れは悲しいけれど
きっと86年間マイペースを貫いて
音楽に情熱を注ぎ続けた先生は
とても幸せだったのだろうと思えました。
葬儀にはエコール・ノルマル音楽院でムニエ先生の後任で
新しく教授となったルイサダ氏や
リグット氏などの著名な音楽家、
日本やアメリカから駆けつけた門下生、
企業や先生が携わった協会の方々など
沢山の人が参列していました。
式が進行する中でどうしようもなく涙が溢れる時がありました。
それは先生の棺を送り出す時の最初の音楽が
バッハの10のコラール前奏曲の中の第2曲
「目覚めよ、と我らに呼ばわる物見らの声」だった事です。
この曲はブゾーニがピアノに編曲していて
3月末にレッスンで先生のお宅に伺った時
前に弾いていた友人がこの曲を弾いていて
先生はこの曲をとても愛おしそうに聴いていました。
送り出すのに「目覚めよって一体・・・」と思いましたが
なんだか茶目っ気たっぷりな先生にぴったりだと感じ
また泣けてきました。
それにしても、最後の最後まで勉強させて頂きました。
国外で、それもカトリックの葬儀に参列したのは初めてでした。
オルガンで奏でられる音楽は
バッハや宗教音楽の素晴らしさを再確認させてくれました。
私にとってなじみの薄かったバッハの
神々しさ、尊さを最後に教わった気がします。
小細工しなくてもそこにあるだけで美しいと感じました。
そして、そう感じることの出来る音楽は
やっぱり素晴らしいと思いました。
写真は葬儀当日のサン・オーギュスタン教会を横から見た図です。
正面や中の様子は精神的にどうしても撮る事が出来ませんでした。
でも当日のこの空は印象的でした。
葬儀が終わって本当のお別れをして
ちゃんとまた前に進まなければ、と思って行動しています。
昨日は音楽院へ行き、学長とお会いして
来年度からマリアン・リビツキー先生と勉強する事を決めました。
代講されていたトマ先生にもお話ししました。
どんな時も時は回っています。進んでいます。
いつかムニエ先生とあの世でお会い出来た時に
胸を張ってお話出来る様に頑張りたいと思います。
ありがとうございます、ムニエ先生。
2年という短い時間の中で
計り知れない沢山のことを学ばせて頂きました。
安らかにお眠り下さい。

Written by yuko 2006.07.06 05:55 | No Comments

ムニエ先生ご逝去

ジェルメーヌ・ムニエ先生が6月27日、永眠されました。
享年86歳でした。
4月頃から入院されていたのですが
少しお加減が良くなられて27日に退院されて
ご家族の車でご自宅に向かわれて
ご自宅に到着した時に先生の心臓が止まっていたそうです。
それまで足がパンパンに腫れたりとても痛がったそうですが
最期の時はご家族に見守られてとても安らかだったそうです。
実は私は29日がエコールノルマルの試験だったので
その事実を門下生や代講されていた先生は
私の試験が終わるまで伏せようと決めたそうですが
私は28日午後に1通の携帯電話のショートメッセージによって
知ってしまいました。
驚きと悲しみとが入り混じって
私は代講されているトマ先生に大泣きしてしまい、
「このままでは悲しすぎて演奏出来ません」と申し上げましたが
「ムニエ先生は死の2日前に試験の心配をされていたのよ。
ムニエ先生のためにもあなたは演奏すべきよ」
とトマ先生はおっしゃり
私は泣きながら家に帰りました。
そして練習してみました。
ですが、楽譜に書かれたムニエ先生による注意書きを見る度に
涙が溢れてとても練習になりません。
更に、今回の試験のプログラムの中に
ムニエ先生のレッスンを初めて受講した時に見て頂いた
ベートーヴェンのソナタ作品110を入れており
元々の曲調も苦悩・死、そして復活
という意味が込められた作品だけに
本当に気分が落ち込みました。
でも、暫くすると「ちゃんと演奏出来るか分からないけれど、
でもきっとムニエ先生は聴きにいらして下さると思うから
先生の為に弾けたら良いなあ」と思うようになりました。
そして、「これは先生が私に与えた最後の試練なのだ」
と思うことにしました。
29日、余りよく眠れずに朝を迎えました。
そして本番。
舞台袖で自分の出番を待ちます。
ふと全身に痙攣が起きました。
過呼吸になる前にはいつも同様の痙攣が起きるので
どうしよう・・・と思っていたら自分の出番になってしまいました。
まずバッハの平均律第2巻ト短調を演奏しました。
何となく指先がしびれていました。
そしてベートーヴェン。
不思議と痙攣やしびれは消え、
ムニエ先生が側にいらっしゃる様な気がしました。
私は心を込めて先生に祈りながら演奏しました。
先生の死によって更に3楽章のAriosoの部分等は
その苦しみがより身近に感じました。
その後、ドビュッシーの前奏曲を2曲演奏して
最後はピアノ伴奏で
ラフマニノフのパガニーニの主題による狂詩曲です。
この作品はパガニーニのテーマの他に、
もうひとつ「怒りの日」のテーマがあります。
「怒りの日」というのは、
元はカトリック教会で死者の為のミサで歌われてきた
聖歌(レクイエム)の1つでしたが、
近代からは死の象徴という意味合いが強くなり、
ラフマニノフ自身、好んでこのモチーフを
様々な作品に使用しました。
華やかな作品ですが、
とても死や悪魔やロシアの暗い歴史を感じさせます。
その様なことを考えながら演奏しました。
何とか弾き切る事が出来、ほっとしました。
弾き終えたら「先生の為に演奏出来て幸せだなあ」
と思いました。
そして伴奏を引き受けてくれた友人の優しさに
本当に救われました。
本番が終わって、聴いて下さったトマ先生と
門下の仲間達が来てくれました。
前日、泣き崩れた場所でまた皆で泣いてしまいました。
ただただ、悲しいです。
一生、今回の試験は忘れません。
忘れられるはずがありません。。
ムニエ先生のお葬式が7月3日の午前10時半より
8区のマドレーヌ寺院付近にあります
サン・オーギュスタン教会で行われます。
それが今生でのお別れになります。
マダム・ムニエのご冥福を心よりお祈り申し上げます。

Written by yuko 2006.06.30 01:09 | No Comments

もう6月!

2f4167c8.jpg先月は結局ひとつも日記(月記?)を書けず終いでした。。
皆様、お元気でいらっしゃいますか?
パリは少し暖かくなった後、冬の様な寒さが続きました。
漸く昨日から日差しが強くなって来まして
やっとサンダルが履ける季節になりそうです(^^;
実は昨年秋以降、ムニエ先生がご病気になられてしまい、
レッスンが出来ないことが度々あったのですが
いよいよ来年度からは音楽院では教鞭を執られないことになり
進路を考えなければならなくなってしまいました。
先生はご高齢にも関わらず、
今まで本当に精力的にレッスンをされていました。
またお具合が良くなられたら
レッスンを受講したいと考えています。
今はただ、早く良くなられる様に
お祈りすることしか出来ませんが。。。
その様な事情から以前よりも更に
イモラへ行く事が増えています。
飛行機をこうも頻繁に利用すると
いつ墜落してもおかしくない気がしてしまい、
最近は搭乗する度に怖くなります。。
5月31日にアルフレッド・ブレンデルの演奏会を聴きに
シャトレ劇場へ行きました。
友人が事前にチケットを買っていたのですが
行けなくなった、ということで
幸運にもチケットを頂きました。
CDやビデオなどでは見聴きしたことがありましたが
実は音色が余り好きではありませんでした。
しかし、初めてライブで聴いてみると
聴こえてくる音色が全く違い、
そのギャップにとても驚かされました。
75歳という年齢が成せる業なのでしょうか。
古き良き時代の薫りがする様な温かい音で
特にピアニッシモの時の音色、
ペダリングが素晴らしかったです。
基本的にペダルは多めで、それもとても意外でした。
そして非常に緻密に練られた構成で
和声の移り変わりなどは
本当に自然にパッと色が変わりました。
プログラムはハイドン、シューベルト、モーツァルト、ハイドン。
個人的には後半のモーツァルトのロンドが特によかったです。
それにしてもスーパーおじいちゃんだと思いました。
あの年齢であそこまでのテクニックと
そして音楽を愛する気持ちが前面に出た
温かい演奏は素晴らしいと思いました。
因みに写真はシャトレ劇場の自分の座席から見た舞台です。
6月2日はパリにあるヤマハで開催された
ミシェル・ベロフ先生のマスタークラスでした。
私にとって新しい、またレッスンに持って行くのは初めての
ドビュッシーのプレリュード2曲を見て頂きました。
彼はドビュッシーのピアノ曲を全曲録音しているので
そんな方に暗譜したばかりの状態で
見て頂くのは恥ずかしかったのですが
勇気を出して持って行きました(^^;
彼とは浜松アカデミー、そしてイモラで
マスタークラスを受講したことがあるのですが
覚えていて下さり、とても光栄に思いました。
レッスンは何から何まで勉強になりました。
フィンガリング、手首の使い方、メロディの歌わせ方。。
実は今まで余りドビュッシーの作品を勉強した事がないので
特にメロディーの歌い方が小粋な感じに出来なくて
もどかしく感じていたのですが、
その辺りも解決してとてもためになりました。
今月末には試験があります。
ファゴットの友人の試験でも伴奏をする事になりました。
久し振りに違う楽器の人と演奏出来るのが楽しみです♪
http://www.phpaide.com/?langue=fr&id=16

Written by yuko 2006.06.04 04:39 | No Comments

Viva l'Italia!! 其の二

再び21日からイモラへ。
今回は初めてWind Jetという格安航空会社を利用してみました。
この航空会社はイモラに最も近いフォルリ空港に着陸するので便利です。
しかしeasyやryanに比べるとまだまだ認知度は低い様で
私が搭乗した時は乗客は私以外、全員イタリア人でした。
午後イモラに到着しました。丁度この時期にイモラサーキットで
F1グランプリが開催されるということで
駅前には「ようこそイモラへ!」という垂れ幕が掲げられていました。
ちょっと見難いですがこんな感じです。
イモラ駅前
街中にF1のタイヤの音が響いていてとても懐かしく、心地良かったです。
その日は友人がレッスンがあるということで
その間ピアノを貸して貰い、3時間みっちり練習出来ました。
翌日はマルガリウス先生のレッスンを3時間受講しました。
ベートーヴェンのOp.110のソナタでは
ベートーヴェンが毎日アルコールを飲まないと作曲出来なくて
そのアルコールのせいで大病を患ったという事を初めて聞きました。
そういう時期にこんなに美しく、また生と死に密接した作品が書かれたと思うと
更にこの作品の素晴らしさを感じることが出来ます。
その後、エチュードを4曲聴いて頂きましたが
初めてマルガリウス先生から「テクニックが前よりついてきた」と言って頂き
以前は「歳を重ねると筋力も落ちるので、テクニックは若い時しかつかない」
と思っていたのですが、練習次第で今の年齢でも変わるのだと分かりました。
レッスン後、住んでいた時にいつも買い出しに出かけていたスーパーへ行き
すっかり売り物の配置が変わっていることに時の経過を感じ、
お昼を時計台の側のピッツェリアでラザニアを食べました。
そしてサーキット場に隣接している公園へ行きました。
丁度F1予選が終わってフェラーリのシューマッハがポールポジション
という素晴らしいニュースを聞いて喜びながら公園を自転車で走りました。
因みにイモラサーキットはフェラーリの地元で
ここに集まる観客のほとんどはフェラーリファンなので
街中がこの時期はチームカラーの赤一色になります。
私はイモラへ来て初めてF1に興味を持ち、
たちまちフェラーリ、そしてシューマッハのファンになりました。
今季はフェラーリが調子良くなかっただけに
地元で息を吹き返した事が何より嬉しかったです。
夜はカステル・ボロネーゼという街にあるCasa dei blackjack online Selviというレストランへ。
この地方のサンジョヴェーゼの赤ワインとパスタ、お肉と
お腹いっぱい食べて大満足でした。
写真はメインで出たお肉の盛り合わせ。かなりのボリュームでした!
サーベルの様な串に鳥・牛・羊・兎・ソーセージ・野菜をグリルした物が
ささっています。
casa dei selvi
23日はミラノからの便だったのでユーロスターでミラノへ。
ミラノの友人とお茶をする予定にしていたのですが
ユーロスターが40分も遅れてしまい、友人とは30分しか会えませんでした。
そしてリナーテ空港から一路パリへ戻りました。
かなり疲れたのでタクシーを利用したかったのですが
ディズニーランドのアトラクションを待っているかの様な行列に驚き、
郊外線+メトロで帰宅しました。
丁度フランスの学校が2週間の復活祭休みだったので
今回は2週続けてイタリアへ行ったのですが、
これだけ動き回ると結構疲れました。。
体調を崩さないように気を付けようと思います。
そしてこれ以上食べ過ぎない様にも気を付けようと思います(^^;

Written by yuko 2006.04.30 08:05 | No Comments

Viva l’Italia!! 其の一

12日~16日、そして21日~23日とイタリアに行って来ました。
本当はもっと前に予定していたのですが
ひどい風邪を引いてしまい、予定を変更しました。
体調のこともあるので少しゆっくりしようと思っていたのですが
結局いつものバタバタ滞在になってしまいました。
でも久し振りに青い空と穏やかな空気の中で
素晴らしい先生のレッスン、
そしてハンガリー人ピアニストの
ゾルタン・コチシュ氏のマスタークラスを受け、
温かい友人達に囲まれ
美味しいイタリア料理に舌鼓を打ち
充実した日々を送る事が出来、心身共にリフレッシュ出来ました。
以下、イタリアでの日々を思い返してみます。
まずは12日~16日の分を。。。
12日は夕方イモラに到着後、友人の家で練習させて貰いました。
丁度日が沈む頃でとても綺麗な空だったので撮ってみました。
イモラの夕陽
その後、夕飯を友人達とピッツェリアで食べました。
彼らとイタリアで会うのは昨年夏以来、なんと8ヶ月ぶり!
やっぱり本場のピッツァ、カプチーノは
極上の美味しさで、思わず写真を撮ってしまいました。
カプチーノマッシュルームとサルシッチャのピッツァ
13日は列車で3時間半、ロヴェレートへ。
モーツァルトがイタリアに初めて演奏旅行に来た時に
最初に来たというこの街にマルガリウス先生はお住まいです。
モーツァルトがコンサートを開いたホールが
今でもそのまま残っており、そのホールでレッスンでした。
そんな由緒正しいところなのだと思うととても感激しました。
レッスンは2時間半、いつもと同じ緻密で妥協を一切しないものでした。
その後、列車の出発時刻迫っていたので
息つく暇もなく、一目散に駅へ向かいました。
無事、予定していた時間の列車に乗り22時すぎにイモラへ。
写真はロヴェレートの噴水広場と
ロヴェレートからイモラへ戻る時に列車内から見えた月です。
ロヴェレートの噴水広場ロヴェレート-イモラ間の列車内より
14日はフィレンツェへフィウッツィ先生のアカデミーで
フォルテピアノのレッスンを受講。
丁度復活祭前の時期のせいかフィレンツェまでの列車は満席、
1時間半立ちっぱなしで足が棒の様になってしまいました。
レッスンでは大分、音の出し方にも慣れて来ましたが
更に多くの音色を出せる様に研究しなくては、と思いました。
レッスン後はやはり列車の出発時刻が迫っており
走って駅へ向かいました。滑り込みセーフでイモラへ。
13日からコチシュ氏がアカデミーでマスタークラスを開いており
翌日私も受けるので聴講しました。
すごく生き生きとした人柄でかなりの爆音を轟かせていました。
ラヴェルのピアノ協奏曲のセカンドを即席で弾かれていましたが
根っからのソリスト気質なのでしょうね。
セカンドがメインになって聴こえました。
やはり音楽をぐいぐい引っ張っていくパワーが凄かったです。
15日は10時からコチシュ氏のマスタークラスでした。
彼に「オハヨウゴザイマス」と言われてびっくり!
他には「スバラシイ」「オモシロイ」「ムズカシイ」
と言っていました。誰が教えたんでしょうね。笑。
シューマンの謝肉祭をまず弾きましたが
あっという間に終わってしまい
「他に何か弾けますか?」と言われたので
ベートーヴェンのソナタop.110を弾いてみました。
1楽章で終わりかと思ったのですが
結局、全曲通して弾きました。
このソナタは最近、ほとんど練習していなかったけれど
人前で弾けて良い経験になりました。
彼は自然な音楽の流れを好む傾向で、
とても健康的で生き生きと作品を見つめる姿勢は
なんだかピアノを愛する永遠の少年の様に見えました。
好きな事をとことん追求するって素晴らしいなあと改めて思いました。
その後、友人とレストランへ。
この地方特有のガルガネッリというショートパスタと
バルサミコ酢などで味付けした牛肉、
付け合わせに乾燥トマトのマリネを食べました。
とても懐かしい味で、よくこの店に訪れた時の事を思い出しました。
そして夕方はイモラから列車で15分、ファエンツァへ。
友人のご家族と車で近くの丘へ行きました。
マイナスイオンに溢れた夕方の丘には非常に癒されました。
静けさ、新緑の匂い、綺麗な空気。。。。
写真は丘からの風景です。
ファエンツァ近郊の丘
その後料理人であるご主人が彼らの家で
海の幸のイタリアンを振舞って下さいました。
フォルリの白ワイン、ズッキーニ・トマト・
フィノッキオ(日本語ではウイキョウといいます)・タコのマリネ、
大きなムール貝のパスタ、
パンナ・コッタにあつあつの苺ソースがけを頂きました。
本当に素晴らしい料理人です。
そして素晴らしく温かいご家族です。
そして16日、イタリアを出発しパリへ。
今回はANAの特典航空券の為、ドイツ経由だったのですが
(ANAはイタリア直行便がないのです。。)
ミュンヘンで乗り継ぎ時間が1時間半もあり
本場のビールが飲みたくなったので
空港内のカフェでソーセージとビールを注文しました。
ミュンヘン空港はお店も食べ物も充実していて
広さも丁度良くて結構気に入っています。
其の二に続きます。。。

Written by yuko 2006.04.28 09:09 | No Comments