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降雪

076cfb6b.jpgイモラからパリに戻りました。
今回は雪が結構降って大変でした。
それにしても行く度に何かしら起きる国です、イタリアは。
それともよっぽど私が不運なのかしら。。。
今回は飛行機のトラブルです。
パリの空港に着いて、乗る便のゲートを知る為
モニターを見ると赤字で「キャンセル」の文字が目に入りました。
「は?」と一瞬目が点になりましたが
気を取り直して変更をしようとカウンターへ。
その便に乗るはずだった人達が結構並んでいました。
基本的にイタリア人は整列など苦手なので、横入りをしようとします。
日本人のような綺麗な列は作れません。
以前にパリの空港でタクシー待ちの列にいた時にも
一人どう考えても列からはみ出ている人がいて
その人もイタリア人でした。。。
今回は殺伐とした雰囲気だったので
横入りしようとしたイタリア人男性に対して3人位のイタリア人女性が
イライラも手伝ってすごい剣幕で口撃!
でも横入りの男性も頭に血が上ったらしく応戦。。
そのまま居座ってしまい大変な戦いが行われていました。。。
なんとか次の便は出発する事になり
5時間空港で待ってから漸く出発し、無事イモラに到着しました。
翌日は朝起きたらかなり雪が積もっていてびっくりしました。
写真はその時のアカデミーの様子です。
雪の事なんて考えもしなかった私はベロアのパンプス一足で行動。
歩くたびに雪が靴の中に入ったり、防水加工されていないので水分が吸収され
薄いグレー色だったはずが黒に近いダークグレーに変わっていました。。。
どこかのお店で長靴でも買おうかと思ったのですが
午前中は13時まで、そして午後も練習の後19時半までレッスンがあって
昼休みをしっかりとるこの街では自分の空き時間中は閉まっていて
結局買えませんでした。
その翌日は雪も上がって晴れました。
でも積もった雪が凍っていて、転び癖のある私は
いつも以上に大地を踏みしめながらゆっくり歩きました。
スケート靴があれば絶対ラクだったと思うのですが。。。
そしてレッスンを終えて空港に向かいました。
車の高速入り口も場所によっては閉鎖されていたので
ちゃんと飛行機が飛ぶか心配だったのですが
幸い戻りは時間通りに出発したのでよかったです。
でもパリに戻っても夜遅くまで雪が降り続きました。
友人によるとパリはほとんど雪が降らないし、積もらないそうで
今回の雪は非常に珍しいとのことでした。
イモラも今まで私がいた中では一番の降雪量だと思います。
雪は白くて綺麗で好きなのですが、ちょっと今回は寒すぎて辟易して
こたつが恋しくなりました。
来週、帰国します。
21日の演奏会まであと少しです。気合を入れ直して頑張ります。

Written by yuko 2005.02.26 10:10 | No Comments

近況報告

ed130097.jpg今月はただでさえいつもの月よりも日数が少ないのに
毎週パリ-イタリアを行き来していて、日が経つのが更に早く感じています。。
皆様、お元気でいらっしゃいますか?
東京では大きな地震が起きたり、インフルエンザが流行っているそうですね。
パリもイタリアも、また本格的な寒さが復活しまして
ショーウィンドーに並ぶ春物の洋服が余計に寒さを増幅させている感があります。
ここのところ、本当にバタバタと動いていたので
その様子をちょっと列挙してみようと思います。
11日はウーディネという町で演奏会がありました。
前日にイモラでレッスンがあったので、イモラからの移動となったのですが
10日21時にイタリア名物の列車ストが実施され
イモラからヴェネツィア行きの列車は
20時54分ヴェネツィア着だったので運行したのですが
21時8分発ウーディネ行きの列車が待てど暮らせど一向に発車せず
ストは翌日17時まで続くと聞いたので
例えヴェネツィアに泊まっても翌日も列車は発車しないし
演奏会は翌日17時開演だったので迷った挙句、タクシーに乗車してしまいました。
それも1時間半。。。
肝心の演奏会はというと、
3月に東京で演奏させて頂くプロの中から
ショパン:スケルツォ第2番
     3つのワルツ 作品64
     アンダンテ・スピアナートと華麗なポロネーズ
ラヴェル:鏡~蛾、悲しい鳥、洋上の小舟、道化師の朝の歌
グノー=リスト:ファウストワルツ
を演奏しました。
バラード第2番と鏡の第5曲「鐘の谷」は
1時間のプロで、といわれたので割愛せざるを得ませんでした。
しかし、休憩なしで弾いたのでさすがに疲れました。
しかもスケルツォからわりと飛ばしてしまったので
ペース配分を良く考えなくてはと反省しました。
非常に良い経験をさせて頂いたと思います。
12日はパリへ戻る日で初めて格安航空会社イージージェットを利用しました。
全自由席だった事と機内添乗員が全員男性で、
しかもとっても親切だった事にびっくりしました。
勿論飲み物は有料だけれども
こんなに気持ち良く迎えてくれて安いのならまた使いたいと思いました。
13日は一日家で休養…とも言っていられず練習をして
14日はパリでムニエ先生のレッスンを受講しました。
来週から2週間フランスの学校は冬休みになるので
演奏会まで時間のない私はまた木曜にレッスンをして頂く事になりました。
そして15日に再びイージージェット機でミラノへ。
この日もウーディネと同じプロで(やはり休憩なしで)演奏会がありました。
今回は前回の反省をもとに色々と考えながら演奏出来ました。
ただ、「道化師の朝の歌」に出てくる連打の音のハンマーが
全く下がらなくなって音が出ない、というハプニングに見舞われました。
結局最後のファウストワルツまでその音は鳴りませんでした。。。
鍵盤が下がらないなんて初めての事だったので最初は混乱しましたが
仕方が無いのでオクターブで弾いてみたりしました。
終演後イモラに向かう列車の発車時刻がギリギリだった為
走るように、というか文字通り走って中央駅へ向かい
無事乗車して夜は久し振りのイモラの日本人の仲間達と夕飯を食べました。
16日は朝からアシュケナージのマスタークラスを聴講しました。
実はイモラ国際ピアノアカデミーはトップがアシュケナージ氏なのです。
思っていたよりもずっと小柄で色が黒くて 、でも手は大きそうでした。
マスタークラスは生徒の演奏に対してアドヴァイスを述べる感じで
ご自身では演奏されなかったのが非常に残念でした。
17日はムニエ先生のレッスンでした。
実はムニエ先生のご主人は画家で、
今シテ島のギャラリーで個展を開催されています。午後は個展を見に行きました。
色使いとかが本当にフランス人だなあと思い
フランス物を勉強している私にとっては特に勉強になりました。
一番気に入った絵があって値段を尋ねてみると6000ユーロ!
いくらなんでもムリですっ。
ピアノの絵があって、丁度いらしていたご主人が
「このピアノを弾いているのは妻でショパンを弾いた時のだよ」
と話されていて、とってもステキな絵だったので
人生で生まれて初めて絵を買ってしまいました!
早速アパートに飾ってあります。
写真はちょっと見にくいですが、その購入した絵を撮ったものです。
そして今日18日は一日中、一歩も外に出ませんでした。
久し振りのオールメガネデーでゆっくり出来ました。
来週もイモラへ行くので、今のうちに英気を養おうと思います。

Written by yuko 2005.02.19 08:30 | No Comments

音楽漬けの日々

パリ暮らしも大分落ち着いてきました。
先月末はイモラへレッスン受講のため行って来ました。
イモラを出てからたった2週間しか経っていないのに
既に懐かしいと感じる自分がいて不思議な感じがしました。
今回、練習場所の確保をどうしようかと思っていたら
(学校は極端に部屋数が少ないのでレッスンですぐに埋まってしまいます)
以前私が住んでいたアパートがまだ誰も住んでおらず
ピアノもそのままだったので
大家さんのご好意で鍵をお借りしてかつての我が家で練習をしました。
但し電気&ガス&水道はなし。。。
コートを着込んで練習しました。
ここで住んでたんだなぁ。。。と思うと
なんだか感傷的な気分になりました。
到着した翌日はペトルシャンスキー先生11時~13時、
マルガリウス先生15時~16時半
というレッスン時間の予定でしたが、
マルガリウス先生のレッスンで私の次の子が病気でお休みだったので
結局19時までノンストップでレッスン!
さすがにひからびました。。。
でもここまでまとまった時間があると
本当に学ぶ事が多くて、受講出来てよかったなあと思いました。
ショパンのアンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズを見て頂いたのですが
ショパンとリストの友人関係がどうであったか、といった話もされ
本当に沢山の知識をお持ちの先生を改めて尊敬しました。
イモラ3日目はフォルテピアノのレッスンを受けにフィレンツェへ。
この日は列車の時刻が朝から狂っており大変でした。
ダイヤの混乱を予想して早目に出発したおかげで
レッスン時間にも遅刻せずに到着出来たので
先生にご迷惑をかけずにすんでよかったです。
フィレンツェの音楽院には非常に音色がきれいなプレイエルが置いてあり
その楽器でショパンを弾けたのは貴重な経験になりました。
今回のイモラ滞在は本当に毎日寒くて、毎日雪がちらついておりました。
こんなに密度の濃い2日間を過ごしたのは本当に久し振りでした。
さて、こちらでは毎週月曜日にムニエ先生のレッスンがあります。
先週はショパンのワルツ作品64を見て頂いたのですが
先生はとてもショパンの作品にこだわりがおありで
なかなか仰る事がすぐには実現出来ず、歯がゆい思いをしました。
先生が演奏して下さったのですが、その美しいこと!
84歳という高齢にも関わらず、この様な演奏が出来るとは
なんて素晴らしいのだろうと思いました。
ちょっとした歌いまわしが上品できらきら輝いていました。
音が他の作品に比べて少ないし、有名な作品のひとつなので
例えばちょっとした間を生かすも殺すも演奏者次第だと思います。
よりこの作品の魅力をお伝え出来るように頑張ります。
明日のレッスンではラヴェルの鏡を見て頂こうと思っています。
まだ住んで1ヶ月ほどですが、
フランスに住む事によってフランスの作品に対する理解が
以前より深まった気がします。より身近に感じる様にもなりました。
もっと色々な物事を経験して、より有意義な勉強が出来ればと思います。
ところで友人から訃報が入りました。
本日2月6日の午前中にピアニストでイモラ国際ピアノアカデミー教授の
ラザール・ベルマン先生が心臓麻痺のため亡くなられました。
先生は今月26日には75歳の誕生日を迎えられ
パーティも予定されていたと聞いたので、突然のことだったのだと思います。
時代はどんどん先へ進むのだし、自然な事だとは思うけれど
もう2度と20世紀の名演奏を聴けないのかと思うと残念で仕方がありません。
私は数回レッスンを受講しただけでしたが
古き良き時代の演奏に触れる事が出来、とても幸せでした。
ベルマン先生のご冥福をお祈り申し上げます。
今週はウーディネで演奏会があります。
初めて人前で弾かせて頂く作品もあるので、気合を入れて頑張ろうと思います。

Written by yuko 2005.02.07 08:23 | No Comments

初パリ暮らし

パリでの生活が1月12日より始まりました。
13日には引っ越しやさんが予定通り来まして
荷物の詰まったダンボール箱、総数25個を取り出して
(予定より箱数が増えてしまいアパートに入り切るか実は心配でした^^;)
母の手助けもあり、順調に生活の基盤を整える事が出来ました。
ただ、丁度この時期にNYからヤブロンスカヤ先生がパリにいらっしゃったので
先週は月~水はヤブロンスカヤ先生のレッスンを受講し、
木曜日にエコールノルマルへ入学登録とムニエ先生にご挨拶を、と思って行ったら
突然レッスンが始まって困惑したり
引っ越しとレッスンを同時にこなしたので疲れてしまいました。
母がいなかったら両方同時には出来なかったと思います。
母がいたので結構外食もして、おいしいものを沢山食べました。
マカロンが有名なお店「ラデュレ」にはよく行ったなぁ。
あと突然の雨で急遽、シャンゼリゼ通りにある「フーケ」でも食べました。
帰宅してガイドブックを見たら「映画俳優やスターが通う店として有名」
なんて書いてあって、なんとも豪勢なところに入ってしまったんだなあと
二人でびっくりしました。
だってメニューに載っている食材がキャビアやオマール海老などのオンパレード!
貴重な経験をしたのかもしれません。一人では絶対入れません。
演奏会にも早速2回行きました。
室内楽と、オーケストラ。
室内楽の方はシャンゼリゼ劇場で行われ、モーツァルトがテーマだったようで
オールモーツァルトプログラムでした。
この日は演奏会を知った時間がもう開演時間に迫っていたので
20分遅れて会場に着いて、チケット売り場に行ったら
「遅すぎるわ。もう閉めました」と冷たいお言葉。。。
イモラでは休憩後とか、始まって大分時間が経つと
チケットのもぎりの人がいなくなって、自由に入れるので
果たしてパリはどうなのだろうと実験をしてみました。
休憩になって人がどんどんロビーに流れて来たので
なんとなくまぎれてみたら無事潜入に成功しまして
おまけに1階の舞台に近い席で聴く事が出来てラッキーでした。
最後に弾いたターリッヒ弦楽奏団はよかったです。
流麗で人の声が歌っているように聴こえました。
バランスもとっても良かった。第2ヴァイオリンの人がすごいなあと思いました。
昨日はラーンキというピアニストがブダペスト交響楽団と
ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」を共演、
第2部はショスタコーヴィッチの交響曲第12番で
指揮はJanos Furst(正確な発音の仕方が分かりません。。。)でした。
ラーンキは終始集中力が切れることなく、指さばきも抜群で
非常に理知的なベートーヴェンで素晴らしかったです。
特に高音部をキラキラ弾くのが上手くて、ピアノ~ピアニッシモの響きが綺麗でした。
そして第2部のショスタコーヴィッチが素晴らしかったです。
ショスタコーヴィッチ独特の風刺、弦楽器のうねり、金管楽器が大活躍。
久し振りに生でオーケストラが聴けてとても楽しかったです。
それにしてもパリはよく歩く街だなぁ~と実感しました。
そして常に下をよく見て歩かねばなりません!
犬を連れて歩く人をよく見ます。犬は私も大好きで見る度に顔がほころぶのですが
フランス人のそういう無頓着さはいかがなものかしら…と思います。
今日も気を付けて歩こうと思います(^^;

Written by yuko 2005.01.23 09:10 | No Comments

謹賀新年

遅ればせながら明けましておめでとうございます。
本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
年末年始を日本で過ごした後、7日にイモラへ戻りました。
今回は東京-パリ-ボローニャという空路でしたが
パリ-ボローニャ便が濃霧とシステム故障の問題で
随分待たされた挙句にキャンセルに。
明朝出発かしら…と覚悟を決めたら
ジェノヴァ着の便に乗れると言われました。
明朝はミュンヘン経由だと言われ
このままではいつイタリアに入れるか分からなかったので
ジェノヴァ便を選びました。
ジェノヴァからは航空会社の方でバスを出してくれて
そこから3時間でボローニャに着きます、と言われました。
ところが…
そこからが大変でした。
ジェノヴァ行きの便も1時間遅れで出発し
ジェノヴァからは濃霧のため、バスものろのろ運転で
結局、ボローニャ空港に着いたのは翌朝5時半。
そこからタクシーでイモラにある自宅に辿り着いたのは
午前6時をまわっておりました。。。
本来ならば約15時間で着くはずが24時間以上かかり、
よれよれになりながら我が家に到着。
朝ごはんを食べにバールへ行ってから漸く眠りにつくことが出来ました。
実は今回の旅路は母と一緒です。
こんなにも長いフライトになってしまってなんだか申し訳なく思いましたが
二人だったので到着まで辛抱強く、待っていられたのではないかな
…という気がします。
これから荷物の整理や掃除、各種契約の締結、そしてレッスンを受講して
12日にいよいよパリへ完全引っ越しをします。
こちらは東京に比べて格段の厳しい寒さなので
沢山着こんで頑張ろうと思います。

Written by yuko 2005.01.09 11:45 | No Comments

最終日

パリのアパートを見つけてイモラに戻ってから
平日は毎日、フランス語の語学学校へ通っていました。
ピアノのレッスンも最近多かったので
一日1時間半、多い時は3時間+毎日宿題アリのフランス語レッスンは
時に辛くて中学時代の試験期間を思い出したほどでしたが
今日がその最終日でした。
高校時代に学校で第2外国語としてフランス語の授業を受講していたので
過去の記憶を呼び覚ます、といった感じでしたが
6年間イタリア語に慣れた耳は、あのモゴモゴした発音になかなか慣れず
語尾までしっかりローマ字で読んでしまったり
ついうっかり「Si!(伊語で「はい」の意)」と言ってしまったり
また伊語では女性名詞なのに仏語では男性名詞のものが結構あったりして
余りに近い言語は混乱するのだなぁと実感しました。
まだまだ初級ですが、ゆっくりのスピードでなら
自分の言いたい事が言えるようになって来ました。
目標は自分の先生と細かい話が出来るようになること。
パリで勉強する先生は仏語でしかコミュニケーションがとれないのです。
早く沢山話せる様に頑張ります。
今日の最後のレッスンの後、先生がとても温かい言葉をかけて下さって
危うく涙ぐみそうになりました(涙もろいんです。。)が
ぐっとこらえて笑顔でお別れをしました。
小泉首相が素敵だから日本に行って是非ナマ小泉さんを見てみたい
…なんておっしゃる不思議なマダムでした。
私は彼女に「成田空港」「あずき」「日本人は緑茶には砂糖もレモンもいれない」等
日本の文化を紹介したのですが、上記の3つは完全に覚えたようです。。
今日は今年最後のピアノのレッスンもありました。
明日ピアノを探しにパリへ行って、20日に帰国します。
イモラの街並みやアパートの記念写真を撮りました。
この街のクリスマスのイルミネーションを見るのは最後なんだと思うと
19歳で一人暮らしを始めた頃から今までの事が思い出されて
なんだか感傷的になりました。
色々あったけれど素晴らしい経験だったと思います。
自分の弱さも知りました。
日本人である事を良くも悪くも強く意識しました。
祖国が特別なものになりました。
フランスではどんな経験をするのだろう。
一度しかない人生、自分なりにとことん生きてみようと思います。

Written by yuko 2004.12.16 08:16 | No Comments

ヴェネツィアでのリサイタル

こちらは2日間まとまった雨が降り続き、寒さが増してきました。
東京は最高気温が25℃だったと聞いて驚きました。
東京はいつから南国になったんでしょう。。。
日本列島が海に沈む日はそう遠くない気がします。(怖い…)
そうなったら皆さんヨーロッパに移住しましょう。
ヨーロッパに日本があったら便利だなぁ。
さて、4日はヴェネツィアでリサイタルをしました。
(因みにこの日は親友も含め、大事な友人3人の誕生日でもありました。)
曲目は最近引っ越しだ何だとバタバタしていたので新曲はいれず
モーツァルト:ソナタ K576
シューベルト:ソナタ D598
シューマン:謝肉祭 Op.9
アンコールにショパンのエチュードOp.10-8を演奏しました。
最近左足の置き場所に迷う瞬間があるのですが
この時もなぜか感じてしまいました。
だからといって何か事故が起きたわけではないのですが。。。
フォルテピアノでペダルを踏む時は
楽器の種類にもよりますが膝を上げて踏むタイプのものだと
楽器の構造上、必然的に両足を揃えて演奏します。
ピアノの場合は、特にロマン派以降の作品において
より弱音から強音の幅も広くなりますし
腕や背中の使い方もより広範囲の筋肉を使って演奏します。
それに伴い足もきれいに揃えて置くと体を支え難くなり
響きの良い音を出し難くなるので、
自然と足を開いて演奏します。
最近、やっとフォルテピアノとピアノの弾き分けが分かってきました。
腕や指の使い方は大分慣れましたがペダルは楽器によって全く違いますし、
まだ自分でこうだ、という感触を得ていません。
ただ古典ものを現代のピアノで演奏する際に
フォルテピアノで学んだ事を少し応用出来る様になったのは進歩かなと思います。
演奏会の方は温かい聴衆の方々のお陰で気持ち良く演奏する事が出来ました。
アンコールのエチュードでは今までの中で最速のテンポで弾いてしまいました。
お客様には喜んで頂けたようでよかったのですが
ちょっとサーカスみたいだったかなあと思います。
まあアンコールなのでその様な演奏もアリかな、と思いまして。
普段余りそういう風には弾かないタイプなもので
実は弾いている本人が一番びっくりでした。。
終演後は食前酒を楽しめる場が設けられていて
お客様とお話が出来ました。
「時期がちょっと早いけどクリスマスプレゼントを貰った気分よ」
と言って下さった方がいらっしゃいました。
こんな嬉しい言葉を頂けて、本当にありがたかったです。
日々精進あるのみですね。
嫌な事も良い事も全てが糧になるのだと改めて思いました。
前日はピアノの弦は切れるわ、夜中に足がつるわで大騒ぎだったんですが。
…それは糧にはならないか。

Written by yuko 2004.12.06 08:13 | No Comments

6年の重み

最近なんだかバタバタしています。
今日は大家さんのお宅に伺って、家を出る日とそれまでに何をすべきか
お話をしてきました。
12月10日には引っ越しやさんが来ます。
元々物を捨てられない性格なもので
パリへ持って行く物、日本に送り返す物、捨てる物を分けるのに一苦労。。
昔の手紙やFAXも出てきて懐かしくなりました。
それにしてもイモラに6年も住むとは思いませんでした。
ここに来た時は19歳で、一人暮らしも外国暮らしも何もかもが初めてで
期待と不安で胸がいっぱいだったことを昨日の事の様に思い出します。
素晴らしい友人とも出会う事が出来ました。
ここで色々な事を学べてよかったなあと思います。
明日はペトルシャンスキー先生と息子のアントンさん(クラリネット奏者)の
デュオコンサートがあります。楽しみです♪

Written by yuko 2004.12.01 08:46 | No Comments

転機

なんだか日記ならぬ「月記」になっておりますm(__)m
皆様、お元気でしょうか。
日本では台風の後すぐ大地震も起こり、大変でしたね。
イタリアのニュースでも大々的に報じられていました。
謹んでお見舞い申し上げます。
さて11月2日から6日までパリに
レッスン受講と、アパートを探しに行っていました。
イモラに来てもう6年が経ちました。
勿論ここは沢山練習出来ますし、素晴らしい先生がいらっしゃる。
イタリアという国は大好きだし、イモラは非常に落ち着ける街です。
しかし演奏会が少ないということと、
街自体に都会の様な活力がないのが
最近特に気になってきてしまいました。
さてさてアパート探し。
ただでさえピアノを弾ける物件は少ないのに
6~9月に大体の人は引越しを終えるので
この季節は特に見つけるのが厳しいということを
身を持って知りました。
不動産やさん、OVNIという日本人向け情報誌、
日本人会の掲示板、京子食品、BOOK OFFを巡って
漸く3件めぼしいところを見つける事が出来ました。
1軒目は地下鉄アンヴァリッド駅付近。
場所は良かったのですが、
ひとりでやっと住めるといった感じのスペース。
ただパリの中心なのに練習時間が沢山確保出来る、
というのは魅力的。
2軒目は地下鉄リベルテ駅付近。
ヴァンセンヌの森の南端に位置するパリ郊外。
緑が多く、空気も綺麗なところ。
一軒家をシェアするシステムで、トイレと風呂が2個ずつ有。
それぞれの部屋が広く綺麗で、練習も沢山出来る点は魅力的。
3軒目は地下鉄ヴィリエ駅付近。
立地条件は非常に良く、近くに市場もあり買い物にも便利。
アパートの機能も充実しており、その分値段が幾分高め。
ただ、今までにピアノを弾く人が住んだ事がない。
下がお店で、上の住人は会社員なので普段は家にいないそうで
弾ける可能性は高い。
3軒見た印象はこんな感じでした。
掲示板を見ていて、ピアノを弾ける物件は
やはりほとんどありませんでした。
ただ、「音楽可」と書いてなくても
地上階や下が店舗なら弾ける可能性があると
今回泊まらせて貰った友人が教えてくれました。
そして、3軒目の物件に住む事を決めました。
まだレンタル出来るピアノがみつかっていないのが心配ですが
とりあえず家がみつかったことで安心出来ました。
来年1月にイモラからパリへ引っ越すことになります。
イモラのアカデミーはピアノ科は既に卒業しており
現在は卒業後コース、フォルテピアノ科に在籍していますが
パリから月に1度通うつもりでいます。
思えば高校生の頃から憧れていた街だったパリ。
イモラへ行くまではパリへ行くつもりでした。
そう思うと感慨深いものがあります。
これからまた沢山の事を勉強して
演奏に生かせれば、と思います。
またこうして勉強を続けられる事を両親に感謝しています。
今回の滞在では本当に人の優しさに助けられました。
一緒に物件情報を見てくれた友人、
フランス語をろくに話せない私を助けてくれた先輩、
パリでの生活について親切に教えてくれた友人。
ありがとうございました。
そしてこれから宜しくお願い申し上げます。
問題は、イモラのアパートにある荷物をどうやって運ぶか。。
大変ですね、引越しって。。。

Written by yuko 2004.11.08 08:30 | No Comments

心機一転

d2bd891a.jpg早いものでもう10月!あと2ヶ月で今年も終わるなんて信じられません。
随分日が経ってしまいましたが
9月16日の桐和会コンサートに来て下さった方、応援して下さった方、
本当にありがとうございました。
今回は一般的には知られていない作品も取り上げたので
正直、果たして楽しんで頂けるのかと
不安に思うところもあったのですが
皆様が真剣に耳を傾けて下さり、
私も集中して演奏する事が出来ました。
一人でも多くの方に楽しんで頂けたなら幸いです。
また、今回この様な機会を与えて下さった
有賀和子先生に深く感謝申し上げます。
日本での次回演奏予定はハクジュホールにて
来年3月21日(月・祝)午後2時開演となっております。
これからもより一層精進して参りますので、
今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。
さて、9月23日にイタリアに戻りました。
日々練習に励んでいましたが、
またもや腱鞘炎になってしまい現在休養中です。
そこで気分転換もかねて、久々にショッピングしました。
写真の靴は我が家の下のお店で買ったものです。
早速この靴を履いてイモラの色々なお店を見て行きました。
あるお店の店員さんから「その靴どこで買ったの?」
と尋ねられたので教えると「早速行ってみるわ!」と言われました。
確かに気に入って買ったのだけれどひとつ不満が。。。
この靴ではピアノのペダルがふめません。つま先が尖りすぎ!
でもフォルテピアノで膝でふむペダルなら使えるかもしれません。
今度レッスンの時に試してみようかな。。。

Written by yuko 2004.10.06 08:59 | No Comments