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晴れた日に・・・

サン・オーギュスタン教会1
サン・オーギュスタン教会2
ぎらぎらと照りつける太陽と
どこまでも澄み切った青い空。
まるで「ちょっと先に行ってるわよ」
とおっしゃっているかの様な明るい朝に
先生は旅立って行きました。
お別れは悲しいけれど
きっと86年間マイペースを貫いて
音楽に情熱を注ぎ続けた先生は
とても幸せだったのだろうと思えました。
葬儀にはエコール・ノルマル音楽院でムニエ先生の後任で
新しく教授となったルイサダ氏や
リグット氏などの著名な音楽家、
日本やアメリカから駆けつけた門下生、
企業や先生が携わった協会の方々など
沢山の人が参列していました。
式が進行する中でどうしようもなく涙が溢れる時がありました。
それは先生の棺を送り出す時の最初の音楽が
バッハの10のコラール前奏曲の中の第2曲
「目覚めよ、と我らに呼ばわる物見らの声」だった事です。
この曲はブゾーニがピアノに編曲していて
3月末にレッスンで先生のお宅に伺った時
前に弾いていた友人がこの曲を弾いていて
先生はこの曲をとても愛おしそうに聴いていました。
送り出すのに「目覚めよって一体・・・」と思いましたが
なんだか茶目っ気たっぷりな先生にぴったりだと感じ
また泣けてきました。
それにしても、最後の最後まで勉強させて頂きました。
国外で、それもカトリックの葬儀に参列したのは初めてでした。
オルガンで奏でられる音楽は
バッハや宗教音楽の素晴らしさを再確認させてくれました。
私にとってなじみの薄かったバッハの
神々しさ、尊さを最後に教わった気がします。
小細工しなくてもそこにあるだけで美しいと感じました。
そして、そう感じることの出来る音楽は
やっぱり素晴らしいと思いました。
写真は葬儀当日のサン・オーギュスタン教会を横から見た図です。
正面や中の様子は精神的にどうしても撮る事が出来ませんでした。
でも当日のこの空は印象的でした。
葬儀が終わって本当のお別れをして
ちゃんとまた前に進まなければ、と思って行動しています。
昨日は音楽院へ行き、学長とお会いして
来年度からマリアン・リビツキー先生と勉強する事を決めました。
代講されていたトマ先生にもお話ししました。
どんな時も時は回っています。進んでいます。
いつかムニエ先生とあの世でお会い出来た時に
胸を張ってお話出来る様に頑張りたいと思います。
ありがとうございます、ムニエ先生。
2年という短い時間の中で
計り知れない沢山のことを学ばせて頂きました。
安らかにお眠り下さい。

Written by yuko 2006.07.06 05:55 | No Comments

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