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Paris, 8th of september to 16th of september 2010

このところ世界各地で重要なニュースが相次いでいますね。
改めて自分のアイデンティティを考える
良いきっかけになっている気がします。
さて、もうすぐ帰国して3週間になります。
ボーっとしているとどんどん時間から置いてきぼりに。。。恐ろしい。
というわけで、そろそろ欧州滞在日記を完結したいと思います。
9月7日に南イタリアからパリに戻ってからは
シーズンが始まったばかりの劇場へ、何度か足を運びました。
9月8日
サル・プレイエルにて
ゲルギエフ指揮、マリインスキー劇場管弦楽団の
マーラー交響曲第8番「千人の交響曲」を聴く。
マーラーイヤーにふさわしい選曲だなあと思いました。
実はこの作品は私が小学校5年生の時に
桐朋学園附属音楽教室合唱団の一員として
シノーポリ氏の指揮で舞台に立った思い出深い作品です。
もっとも当時は「すごいおじさんが沢山の人を操っている…」
と思っただけで、それよりも「ずっと立ちっ放しで大変だった」とか
練習回数の多さの方が印象に残っており
今思えば素晴らしい方々との共演だったのに
なんて残念な記憶なのだろうと思います。
私の思い出はさておき。。この日の演奏は
ひとりひとりが個性を持った強い粘り気のある声・音で
それをまとめるゲルギエフの指揮は理知的で爽快。
あっという間の80分でした。
歓喜と栄光に満ちた音が会場一杯に燦然と輝いていました。
9月10日
久し振りにルイサダ先生のレッスンを受講。
先生の愛犬ブギーも元気そう。
この日はシューベルトの即興曲Op.90第1番だけで2時間が過ぎてしまいました。
因みに私にとってはこの4つの即興曲の中で一番好きな作品です。
試行錯誤を重ねてきた末に見て頂いたのですが
今までレッスンでケチョンケチョンに言われてきたのに
この日は最初から最後までまず通して聴いて頂けたことが嬉しかったです。
でも色々考え過ぎてシューベルトのフォルムから少し外れてしまっていたようでした。
「目から鱗」な運指法、腕と指と手首の使い方により新たな音色も生まれ
非常にためになるレッスンでした。
9月11日
室内楽でお世話になったマルティニー先生と久し振りの再会。
先生はヴァカンスから戻られたばかりで、日に焼けた肌が眩しい。
相変わらずの温かい笑顔で迎えて下さいました。
夜はオペラ座(ガルニエ)にて
ロッシーニ「アルジェのイタリア女」を観劇。この日がPremier初日でした。
イタリアからパリに戻って来たばかりでイタリア物を聴くと
イタリアの良い点と悪い点が余計に見えて来る様な気がしました。
<キャスト>
ムスタファー…Marco Vinco
エルヴィーラ…Jael Azzaretti
ズルマ…Cornelia Oncioiu
ハリー…Riccardo Novaro
リンドーロ…Lawrence Brownlee
イザベラ…Vivica Genaux
タッデオ…Alessandro Corbelli
Direction Musicale: Maurizio Benini
Chef de Choeur: Alessandro Di Stefano
Orchestre et Choeur de l’Opera national de Paris
リンドーロ役の黒人テノール歌手Brownlee氏の声が
柔らかく響いていて素敵でした。
演出も徹底的にコミカルで、終始笑いがこぼれる楽しいものでした。
おなじみオペラ座の天井に描かれたシャガールの作品。
opera garnier
オペラ座のバルコニー近くの廊下
P1240616
フルートの金子由香利さんとバルコニーにて。
P1240622
9月13日
数年前までパリのヤマハに勤めてらして
留学当初から大変お世話になったアレクサンドラさんと久し振りの再会。
練習の予約から雑用まで、何もかも手取り足取り親切に教えて下さった恩人です。
お変わりなさそうな素敵な装いと笑顔に嬉しくなりました。
彼女はルーマニア人なのですが仏語・英語・伊語・ロシア語と語学堪能で
私のデビューCDの最初にヴェラ・ゴルノスタエヴァ先生のメッセージがあるのですが
それをロシア語からフランス語に訳して下さいました。
アレクサンドラさんとの一枚。
P1240626
9月14日
夜、バスティーユのオペラ座にて
ワーグナー「さまよえるオランダ人」を観劇。
<キャスト>
Daland : Matti Salminen
Senta : Adrianne Pieczonka
Erik : Klaus Florian Vogt
Mary : Marie-Ange Todorovitch
Der Steuermann : Bernard Richter
Der Hollander : James Morris
Direction Musicale : Peter Schneider
Chef du Choeur : Patrick Marie Aubert
Orchestre et Choeur de l’Opera national de Paris
ペーター・シュナイダーの指揮が本当に素晴らしくて
休憩なしの2時間半が本当にあっという間でした。。
ワグネリアンという熱狂的なファンが生まれる理由が分かる気がしました。
演出もゼンタ役のPieczonkaさんもエリック役のVogtさんも素晴らしく
オペラを観て初めて胸が熱くなりました。
バスティーユのオペラ座外観
P1240629
バスティーユ広場
P1240631
9月15日
ルイサダ先生のレッスン。
シューベルトの残りの3つの即興曲をみて頂く。
第4番で爆笑されて少し傷付きました(苦笑)。
「この曲は子供が弾くとものすごく上手に弾くんだけど
大人が弾くと考え過ぎるのか下手な演奏が多いよね」と言われ
なるほど…と思いました。「無駄な色気はこの曲には必要ない」とも言われ納得。。
夜は日本から来ていた友人と数年振りの再会。
日本でではなく、パリで再会するのが不思議な感覚。
13区にあるタイ料理さんでゆっくりご飯をしました。
9月16日
知人のマダムにお誘い頂き、Galerie Pere Tanguy(ギャラリー・タンギー爺さん)へ。
浮世絵の月岡芳年の作品展で、葛飾北斎の作品もありました。
こちらのギャラリーはゴッホの絵で有名な「タンギー爺さん」のモデルとなった
タンギーさんの元アトリエで、今はギャラリーとなっているのですが
この場所にゴッホをはじめモネやセザンヌ、ゴーギャンなど
名だたる画家達が足を運んだことを知り感激しました。
異国の地で母国日本の芸術を見ることはまた違った視点から自分のルーツを知ることが出来
とても興味深く、有意義な時間でした。
ゴッホによるタンギー爺さんの絵はこちら。
P1240633
ギャラリー内の展示の様子。
P1240634
翌17日からは高校の同期が住むハンガリーへ。
こちらはまた次回書こうと思います。
今回だけでは欧州滞在記、終わりませんでしたが
またお付き合い頂ければ嬉しいです。

Written by yuko 2010.10.16 10:23 | No Comments

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